デンマーク
海を渡る電車
オランダからデンマークへの電車は
海を渡らなくてはいけないが、鉄橋を渡る訳ではなかった。
ではどのように渡るかというと
なんと電車ごとカーフェリーに乗ってしまうのだ!
私はそれを知らずに乗っていて、
あるとき電車がホームではない真っ暗なとこに停まったので
『何だ?また故障か?』と思い、
窓を覗くと横にはズラーっと車が並んでいて仰天した。
何かアナウンスが流れ、乗客がみんな電車を降り始めたので
私も訳が分からないまま後につくと階段があり、
上ってみるとなんとそこは海の上だったので
『なんなんだ!ここは』と、再び仰天することに。
でも船の上だと知ってしまうと、ちょっと儲けた気分になり(いやしい?)
夜中に海の上にいる事が嬉しくてハイテンションになり、
港に着くまで売店やお土産屋さんを覗きながら
充実した時間を過ごせた。
いやな気分になることも・・
朝8時35分、コペンハーゲンに到着!
コペンハーゲン駅にはコインシャワーがあったので、
夜行3日連続でお風呂に入れないから利用してみることにした。
入り口にもぎり(古?)のおばあさんが座っていて、
「シャワーお願いします。」と言ってお金を出すと
「30分だよ」と無愛想に言って鍵を開けてくれた。
寒い朝だったので熱いお湯がとても有り難く、30分いっぱい浴びて
『ふ~生き返った♪』と着替えようとしたら、おばあさんが
ドアをドンドンたたいて怒った声で何か叫んでいるので
急いで服を着て、髪も濡れたままドアを開けると
「30分って言ったでしょ!」と怒られてしまった。
どうやら 着替えも含めて30分だったようだ・・
「ごめんなさい」と謝っても、おばあさんの怒りは続いていて
駅の構内の人がいっぱいいる中、大声でさんざん怒鳴られたので、
『なにもそこまで怒んなくたって・・』と悲しくなってきた。
おばあさんの怒声に送られて駅を出ると小雨が降っており
髪も濡れたままだし、せっかく温まった体も冷えてきたりと
気が滅入ってきたので温かいコーヒーでも飲んで元気出そうと思い、
ドアのところに”CAFE”と書いてあるお店に入った。
中に入るとカウンターの中に店の親父らしき人がいて、
常連客らしい人たち数人と談笑していたが
私を見ると全員が露骨に嫌な顔をした。
『もしかしてお呼びでない?』と思ったが、気のせいだと思うことにして
「コーヒーください」と言うと、親父が吐き捨てるように
「ないね!」と言った。
『差別なのか?』と思ったが、むやみに人を疑うのは良くないと思い
客の一人がビールを飲んでいたので、飲む気はなかったが試しに
「じゃあビールは?」と聞いてみた。(思いっきり疑ってる?)
するとお店の親父は、
「ないよ!何もない!」と言い客たちと一緒に笑い出した。
『やっぱり差別なんだ』と思ったが、
これ以上喧嘩売る勇気がなかったので
スゴスゴ引き下がり、雨の中沈んだ心を省吾さんの曲で慰めながら歩いた。
(その時のBGMは”パーキングメーターに気をつけろ!”)
泣きたい気分で歩いた小雨のコペンハーゲン
人魚姫の像
この日も夜行なので宿探しの必要がなく、
目当てのロイヤルコペンハーゲンの工場に行った後
時間が余ったので、海の方にある人魚姫の像を見に行くことにした。
この人魚姫の像は『世界3大がっかり』のうちのひとつと聞いてたが
実際見てみるとやっぱりがっかりで、
○越のライオンの方が立派なくらいだった。
(ちなみにあとの2つはシンガポールのマーライオンとシドニーのオペラハウス)
そんなこんなで、
ここコペンハーゲンではブルーになる事が多かったけど、
最後に入った駅の売店で
クローネ(当時のデンマークの通貨)を使い切ろうと買い物し、
ピッタリで計算したつもりが日本円にして100円ほど足りなかった時
アイスクリームを返そうとしたら、(何を買っとるんじゃ)
レジの恐そうなお兄さんが
「いいよ、持ってきな」とおまけしてくれ
『わずかひとさじ』の慰めに触れた気がして嬉しく、
ホームでアイスを舐めながら次の国への電車を待っていた。